現在公開中のアメリカ映画、フローズン・リバー(監督:コートニー・ハント)です。渋谷のシネマライズで鑑賞しました。
大きな期待はしていなかったのですが、いや、素晴らしい作品でした。今年、劇場での鑑賞は5本目なのですが(1月・2月はさすがに受験前であまり行けないもので…)、現時点ではベストです。もちろん、これからどんどん順位は下がると思われますが。
人種・民族の違いという、「超えがたい壁」があるはずの2人が、偶然にも出会ってビジネスオンリーの関係を持ち、やがて互いへの理解を深めていく…。よくある話と言えばそれまでですが、その描き方と帰結が私には素晴らしいと感じられました。なれ合いのヌルい関係ではない、リスク負いあい、責任をかぶりあう関係。そのことが、「いつかは分かりあえる」などという幻想を捨てきれない我々に、「真の共生とは、キツいものだ」ということを教えてくれます。
途中、赤ん坊にまつわる「事件」が起こるのですが、この事件が2人の「絆」を一気に強固なものにします。互いに複雑な事情を抱える2人。この事件の発生時、2人はおそらく母親としての同じ感情を互いに共有していたのでしょう。まぁ、赤ん坊が助かってしまうあたりが、映画としては「ぬるい」のかも知れませんが、私はこのほうが良かったと思いました。
この映画の観賞後、映画評論家の寺脇研氏にTwitterで話しかけてみたのですが、彼は「良い映画だが、米国民とモホーク族以外の民族への描き方が不満だし不快だ」(←私の言葉で置き換えています)とのことでした。なるほど、そのことには鑑賞中に違和感を感じたことを覚えているのですが、珍しく物語に入り込んでしまって、そういう分析をする冷静さを失ってしまっていました。寺脇氏が「不快」とまで仰っているのは、その描き方が確信犯的ではなく、むしろ無意識的になされている(ように感じられる)からではないかなと思います。つまり、「悪意すらない、差別と卑下の意識」なるものが作り手の側にあるのではないか、と。
それにしても、私のそういった違和感をも忘れさせ(いや単にボケだからという説もありますが)、上映前の予告編を観ているときには感じていた眠気をもふっとばしてしまうような、「作りの良さ・うまさ」はなかなかのものだと思います。(単に私がボケなだけの可能性も大きいですが)アカデミー賞にもいくつかの部門でノミネートされているようですし、もし獲っちゃったら映画館も混んじゃいますし、皆様今のうちに行ってみては?と思います。(まぁ、アバター旋風でそれもなさそうな気もしますが)
個人的満足度:★★★★★
Popularity: 6%
現在公開中のイギリス映画、「Dr.パルナサスの鏡」(監督:テリー・ギリアム)です。TOHOシネマズ六本木シアター6で鑑賞しました。
「盛大なお葬式を行う意味」について考えたことのある人はたくさんいらっしゃると思います。死んだ人は見ることも聞くことも考えることもできないのだから、ああいう儀式に意味はないのでは?と。まぁ、信じる宗教によっても解釈はいろいろでしょうし、世間体というものも大きいと思いますが、やはり一番分かりやすいのは、生き残った人たちが「私は彼(彼女)のために、これだけのことをしてあげることが出来た。さぞかし故人も満足だろう」というカタルシスを得るため、というものだと思います。
そう、この映画はよくも悪くも「ヒース・レジャーというスーパースターの盛大なお葬式」という意味合いが強いのだろうなぁ、と鑑賞の翌日あたりに思ってしまいました。生前のヒースと親交があったイケメン俳優3人が代役を買って出たり、その出演料はヒースの娘に寄贈されたりというのも、それぞれ「葬式のお手伝いとお香典」かなと。もちろん、そのこと自体は悪いことでもなんでもなくて、それで気が済むのなら、故人の遺志に反しない限りは多いにやって良いと思います、念のため。
さて、そんな思いを少なからず込めて作られたと思われるこの作品、「ヒースのお葬式に出席した」ような気持ちで鑑賞に臨むとするなら、悪くない映画だと思う。一部にCGとかもあるのかも知れないけれど、死の直前と思われるヒースの表情や動きは存分に味わえるし。逆に、「ヒースの死」という事実がなければ、あるいはそのことへの思い入れがさほどない人にとっては、「?」マークが脳内を駆け巡る珍作である気がします。
そういう意味では、昨秋公開されたマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」と同じ面を持っている気がします。(あちらは故人の遺志に反しているかも?という点で疑問もありますが)あれも、正直言ってライブDVDの特典映像の豪華版程度の出来だと思うけれど、それでも世間であんなに高評価だったのは、みんなが「マイケルのお葬式」に行く気持ちで鑑賞したからではないか、と思うんですよね。この映画も、ヒース・レジャーが亡くなって間もないタイミングでの公開なら、人々の反応は全く違ったような気がします。
とまぁ、エラソーに書いてしまいましたが、私は開始早々に眠ってしまい、ちょっと筋の分からないところがあったので、内容についてあまり言う権利はないのですが。登場人物が鏡のなかに入る度に、「未来世紀ブラジル」のような、ワケの分からない想像の世界が描かれるのは、少なくとも始めのうちは楽しめました。「よくもまぁ、こんな世界を想像できるものだな、しかもこんなにたくさん」と思いましたし。ただ、「うわー、無理のある設定だなー。こりゃあ、監督もつらかっただろうなー」と何度か思ってしまったのも事実。ラストにいたっては、なんだか意味もよく分からず…。
ま、やっぱりこの映画は前述のような特殊事情の上に成り立っている、特殊な作品だということで、これからご覧になる予定のある方は、お線香の1本でも供えるような気落ちで映画館に足を運ぶのが良いかな、などと思います。
個人的満足度:★★☆☆☆(ギリアムの他の作品、観ないとなー)
Popularity: 17%
現在公開中のアメリカ映画、「(500)日のサマー」(監督:マーク・ウェブ)です。TOHOシネマズ日比谷シャンテで鑑賞しました。
この映画を観る前日、Twitterで東浩紀が「世の多くの人が愛だと思っているものの多くは、萌えと等価なものに過ぎない」と呟いていまして、ずっとそれが気になっていました。彼はその前に「他人」とのコミュニケーションと「キャラ」とのコミュニケーションの境界、あるいはその有無について語っていて、私は自分の実存およびウチの塾の生徒たちのことを思い浮かべながら、彼の呟きの具体化を試みたりしていました。
そんな日に観たこの映画、切なさだとか懐かしさだとか喜びだとかをはるかに超えて、「人が分かりあうことの不可能性」と「不可能だと理解した上での振る舞いこそが、人と人の共生を可能にする」ことを描いているように思えてなりません。言い換えれば、コミュニケーション可能なものの限界を、知った上で受け入れる哀しみを「知る過程」描いた作品という受け止め方をした、ということです。この誰しもが通るプロセスを、前向きに描いた作品ということで、「レボリューショナリーロード」と対にすべき映画な気がします。(あちらはポストモダンという「社会」を、こちらは「個人」を描いているという点で、ちょっとズレがありますけど)
ちなみに、もしもこの作品が、「紆余曲折の末、サマーとトムが結ばれる」という結末であったとしたなら、私は「はい、駄作。ポイッ」と切り捨てていたように思いますね。実際、音楽の乗せられて楽しんではいたけれど、途中はの「うまくいく→ダメになる→…」の描画の繰り返しはちょっと退屈だったし。(あ、でもサマーとの初夜を過ごした後、トムがはしゃいで踊るシーンは最高でしたが)個人的には「もうその描写はいいから、トムが501日目にどう変わるのかを早く見せてくれよ」くらいに思っていました。そしてようやくやってきた結末。サマーの言い訳も、トムの変化も、満点の結末でした。(途中の「海に魚はいっぱいいる」というセリフはどうかと思うけれど
個人的満足度:★★★★☆(主人公が、草刈正雄の若い頃に似てる気がする)
(追記)
ふと思ったこと。この映画、私は上記のように「コミュニケーションの限界や不可能性を知ることによって、共生という概念が生まれ、それが真の(事なかれ主義ということでは決してない、真の意味での)思いやりの獲得につながる」という、誰しもが若いころに通るプロセスを描いている、と理解しているのだけれど、もしかすると最近の若い人たちの中は、そういうプロセス自体が発生しない人が少なからずいるのではないだろうか。いや、もしかするとこのプロセス自体の必要性というか「当然性」が変わってきているのかも?
Popularity: 7%
2003年のアメリカ映画、「ファインディング・ニモ(吹替版)」(監督:)です。WOWOWで放送されたものを録画して鑑賞しました。
以前、沖縄に旅行に行って体験スキューバダイビングをやったとき、現地の方が「最近、ニモの影響でクマノミが激減してるんですよ…」などとおっしゃっていたのを思い出しながら鑑賞しました。
いや、「カーズ」のときも「ええ?クルマが主人公?そんなん、いくらなんでも面白いはずないだろう?」と思ったら激面白かったのですが、今回も同じでした。魚が主人公、しかも熱帯魚となると、ゆるーい感じの私の苦手なタイプの作品かなという予想もちょっとだけあったのですが、いや!面白い作品でした。一刻たりとも目が離せないスピード感、感情移入するのに十分な、表情豊かなキャラクターたち、はっとさせられるほどに美しい海の映像。これ、2003年に劇場で観ていたら、もっと驚いたんだろうなぁ、などと思いました。(まぁ、アバターを観てしまった後なので…)
まぁ、個人的には、先日観た「カールじいさんの空飛ぶ家」のようなドタバタ冒険活劇のほうが好みなのですが、作品の完成度という点ではこの作品のほうが上という気もしますねぇ。あちらは、「あぁ、ここがもちょっとこうなら」というところが無いわけではないのですが、この作品はそういうツッコミどころすらない気がしますので。私は、前半のサメと戦うシーン、クジラのお腹の中に入っちゃうシーンあたりが大好きなタイプの人間です。(^^;
それにしても、この映画でクマノミが注目されるのは分かるけれど、しかしこれを観て「じゃ、いっちょ沖縄でクマノミを捕ってくるか」などという発想に結びつく人がいるとは信じがたいです。まさに「人として」どうなのよと。
個人的満足度:★★★★☆
Popularity: 2%
皆さん映画ブログをやってる方は、大抵「2009年マイベスト」的な企画をやってらっしゃるようなので、私も(劇場ではたった54本しか観てないのですが)やってみました。一応、上位30位ということで。
- ウォッチメン
- レスラー
- グラン・トリノ
- 母なる証明
- チェイサー
- チェンジリング
- 3時10分、決断のとき
- カールじいさんの空飛ぶ家
- 5分間の天国
- サマーウォーズ
- チェ 28歳の革命
- ベンジャミン・バトン 数奇な人生
- レボリューショナリー ロード/燃え尽きるまで
- スラムドッグ$ミリオネア
- アバター
- 消されたヘッドライン
- 007 慰めの報酬
- アマルフィ 女神の報酬
- 扉をたたく人
- チェ 39歳 別れの手紙
- ディア ドクター
- ターミネーター4
- ジェネラル・ルージュの凱旋
- スタートレック
- マン・オン・ワイヤー
- 狼の死刑宣告
- 私の中のあなた
- ラースと、その彼女
- レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-
- 愛を読むひと
こうしてまとめてみると、観た直後の満足度と、必ずしも相関しないところが自分でも意外です。(ということは、あと半年したら、また順位は変わっているのかも)
Popularity: 35%
その後ふと思いだした、観たけど記事にしなかった映画2本。どっちも劇場で観ていたのに…。(しかも両方とも途中で寝てるという)
キャデラック・レコード(監督:ダーネル・マーティン) 恵比寿ガーデンシネマ
予告編で「これは面白そう!」と思って楽しみにしていた映画。それなのに、夏期講習で疲れた状態で行ったら、途中眠ってしまった。サントラを先に買って音楽を予習してから行ったというのに…。orz 「成功すること」「夢がかなうこと」は、幸せの十分条件ではない、ということを知らせてくれた気がする1本でした。
個人的満足度:★★★☆☆
パブリック・エネミーズ(監督;マイケル・マン) TOHOシネマズ六本木
もう「カッコいいシーンの連続」過ぎて、むしろ食傷気味になっちゃった感じの映画。これも途中意識がとんだのでエラソーなことは言えないのだけれど、主役の2人がなぜそんなに強固な愛情で結ばれたのか、その辺の理由があまり描かれていない気がしました。石が飛んでくるのを覚悟で言えば、主人公のジョニー・デップはキャスティングミスでは?などと思ったり。もちょっとアツい感じのする、格好悪い一面もありそうな俳優ならもっと良かったのでは?とか思いました。(んー、あまり俳優を知らないのですが、ラッセル・クロウとか)
個人的満足度:★★☆☆☆
Popularity: unranked
2009年もあと残すところわずか。今年は特に夏以降に「観たけれど記事にしていない映画」がたくさんありまして、それらについて(覚えている作品だけ)記録しておきます。
ラストコーション(監督:アン・リー) DVD
エロシーンの迫力に「え、そういう映画だったの?」と驚きの連続。ラスト、主人公が仲間を裏切るその理由が「ホンモノの宝石をもらえたから」というのはちょっと…。
個人的満足度:★★☆☆☆
ハッピーフライト(監督:矢口史靖) WOWOW
スチュワーデス物語みたいなのを連想していましたが、違いました。飽きずに2時間観ることができましたね。これはこれで、プロの仕事かと。
個人的満足度:★★★☆☆
スウィングガールズ(監督:矢口史靖) WOWOW
「それは言わない約束」かも知れませんが、短期間に突然演奏がうまくなってしまう強引な作りにちょっとヒキました。「なら、おまえの好きなシムソンズはどうなんだ!」と言われるとツライのですが、あちらは何故か私はひかないんだから仕方ないです。
個人的満足度:★★☆☆☆
ロボゲイシャ(監督:井口昇) シアターN
映画そのものよりも、これを制作した監督のほうに興味がわきました。「どういう幼少期を送ってどういう知識のインストール手順を踏めば、こういう映画を撮りたくなるんだろう」、と。まぁ、途中豪快に寝てしまったのですが。
個人的満足度:★★☆☆☆
片腕マシンガール(監督:井口昇) DVD
と思って、前作を観てみたら、やはり同じでした。(^^;
個人的満足度:★★☆☆☆
花とアリス(監督:岩井俊二) WOWOW
岩井俊二監督の代表作の1つということで、気合いを入れて鑑賞。しかし…「記憶喪失を装う」という無理のありすぎな設定でつまづきました。女同士の友情を美しく描いたんでしょうけれど、こういう友情って、無理のある設定はさておいたとして、現実味があるんでしょうか?主演の2人の女優が(一方でも)好きな人には、プロモーションビデオを見る感覚で思いっきり楽しめると思います。
個人的満足度:★★★☆☆
大日本人(監督:松本人志) DVD
会社のバイト講師に「おれ、大日本人、大好きなんですよ」と言われて観る気になった作品。なるほど、こういう映画だったのか!と思わず感嘆しました。ラストが「無理やり感いっぱい」なのが残念でしたが、それも含めての壮大なネタなのでしょうね。松本人志自身を自虐もこめて描いている、という見方も多いようですが、そんな大げさなものではなく、「単にやってみたかっただけ」という気も。
個人的満足度:★★☆☆☆
パイレーツロック(監督:リチャード・カーティス)TOHOシネマズ六本木
ノリのいい曲が次々と出てくる楽しい映画、と思ったのですが、私には前半がちょっと退屈でした。なんというか、「淡々とした日常」を描く映画よりは、「壮大な物語」が好きなんだなぁ、と実感。ウトウトと寝てしまって起きたら、船が「タイタニック」状態になっていまして、そこからは楽しめました。ラスト、船の軍団が見えたときにはうれしくて涙が出そうになりました。
個人的満足度:★★★☆☆
アメリ(監督:ジャン=ピエール・ジュネ) WOWOW
「どうせ、オサレ映画なんでしょ」と敬遠していた作品だったのですが、いやぁ面白かった!映像の撮り方もとにかくオシャレで、これだけ技巧的だと鼻につく部分もありそうなものですが、それを全く感じないとは…!
個人的満足度:★★★★★
スタートレック(監督:J・J・エイブラムス) Blu-ray
友人に強く勧められて鑑賞。いやぁ、楽しかった!映像の迫力もキャラが立った出演者たちも最高でした。個人的には、「スター・ウォーズ」よりも「好き度」では上です。
個人的満足度:★★★★☆
ピリペンコさんの手作り潜水艦(監督:ヤン・ヒンリック・ドレーフス / レネー・ハルダー)イメージフォーラム
潜水艦を手作りする、その設定だけで「むかしは少年だった」者としてはワクワク、ドキドキ。途中、ちょっとダレてしまいましたが、その辺も手作りドキュメンタリーと思うと許せてしまうから不思議です。
個人的満足度:★★☆☆☆
運命じゃない人(監督:内田けんじ) DVD
「アフタースクール」の前作として、注目はしていましたが、まさかこれほどとは!「アフタースクール」よりもずっと出来がいいじゃないですか!次回作もがぜん観たくなってきました。
個人的満足度:★★★★★
セント・オブ・ウーマン~夢の香り~(監督:マーティン・ブレスト) DVD
友人に「ガンコじじいモノならこれだ!」と言われて鑑賞。いやぁ、最後の講堂のシーンが最高でした。アル・パチーノって、マフィア物じゃなくてもスゴイんですね…。声まで変えて演技するなんて!
個人的満足度:★★★★★
あなたは私の婿になる(監督:アン・フレッチャー) TOHOシネマズ六本木
仕事の都合で偽装結婚をすることになったものの、互いに引かれるようになり….という、ありがちなストーリー。それなりに楽しめたのですが、ラストがどうなるかは冒頭から分かっちゃいます。個人的には、「あ、クリスチャンルブタン履いてる!」とか、「ヴィトンのバッグは湖に投げても、バーキンは投げないのね。」とか、「やはりイケてる会社だから、パソコンはMacで電話はiPhoneという設定なのか」などといったところにばかり注目してしまいました。
個人的満足度:★★☆☆☆
動くな!死ね!蘇れ!(監督:ヴィターリー・カネフスキー) ユーロスペース
「この映画を観ないのは人生の損失である」という蓮實重彦のコメントがチラシのコピーになってて、「そこまで言うのなら」ということで言ってきました。うーん、ドキュメンタリー的(いやドキュメンタリーではないのですが、監督の記憶の映像化という意味で)価値は相当にあるとは思いますが、観なくても特に損失はなかったかな。ま、ラストは衝撃的すぎて腰が抜けそうになりましたが。
個人的満足度:★★★☆☆☆
ろう人形の館(監督:ジャウム・コレット=セラ) Blu-ray
ホラー嫌いの私なのですが、友人が観たいというので仕方なく…。うーん、大して面白くもないし(さほど)怖くもない映画でした。まぁ、もっと怖ければ良いかというと、私の場合はそうでもないところが難しいところなのですが。(^^;
個人的満足度:★★☆☆☆
NYスタテンアイランド物語(監督:ジェームズ・デモナコ) TOHOシネマズ六本木
東京国際映画祭(TIFF)で鑑賞。3つのお話が最後に1つにまとまるという、ウデに自信のある脚本家が好みそうな構成。クライマックスシーンで赤い靴下が見えたときはシビレました。個人的には、TIFFで観たもう1本(5分間の天国)のほうが上でしたが、満足の1本でした。
個人的満足度:★★★★☆
メメント(監督:クリストファー・ノーラン) DVD
「ダークナイト」のクリストファー・ノーランの初期の作品ということで、ワクワクしながら鑑賞。短期記憶がないという設定、それを十分に生かした作品構成、たぶん同業の脚本家たちは、「やられたー」と思ったことでしょうねぇ。その構成のせいで、観るものは嫌がおうにも「しっかり覚えておかなくては!」という気持ちになってしまい、画面に釘付けになってしまいますね。鑑賞を終えたあと、アタマの中を整理しつつ、他の映画にはない種類の疲れを感じてしまいました。
個人的満足度:★★★★★
ジョゼと虎と魚たち(監督:犬童一心) WOWOW
凄い映画でした。足が不自由で外出のできない少女・ジョゼが、主人公・恒夫に「承認」され、「尊厳」を獲得し、自立していく様を、人間社会の現実に目を背けることなく、しっかりと描いているように感じました。ラスト、別れてしまう2人に、他人に「承認」を与えることの意味と重さを実感できた気がしました。同時に、「もし主人公があんなに可愛い子(演じたのは池脇千鶴)じゃなくて、ブサイクな子だったら恒男は興味を持ったのだろうか」という、この手の映画を観るといつも感じてしまう、そして感じること自体に嫌悪感を覚えてしまう感情を抱いてしまいました。
個人的満足度:★★★★★
Popularity: 2%
現在公開中のアメリカ映画、「アバター」(監督:ジェームズ・キャメロン)です。TOHOシネマズ六本木シアター7で鑑賞しました。
もう、映画ファンはみんな待ち望んだ1本、ですね。「ターミネーター2」「タイタニック」の2本は、生涯ベストにあげる人も多いくらいですし。実際、映画館は終電を超える時間帯の上映にも関わらず超満員。異様ともいえる熱気の中、上映開始となりました。
3D映画は今冬、「クリスマス・キャロル」「カールじいさんの空飛ぶ家」に続いて3本目。その凄さには、それなりに慣れていたつもりだったのですが…いやぁ、度肝を抜かれました。これは確かに、「無声映画→トーキー」、「白黒→カラー」という変化に匹敵する、すごい変化なのかも。特にすごいと思ったのは、スカイ・ピープル(地球人)の司令本部みたいなところでの、コンピュータ画面の映像。「攻殻機動隊」なんかに登場する、何もないところにディスプレイが浮かび上がる、あのシステムが描かれるのですが、その立体感にびっくり。「なるほど、将来はこういう風になるのか!」(いや、なるわけないと思いますがw)と、ちょっと感動してしまいました。
押井守が「こっちのやりたいことを全部やられてしまった。完敗です。」とコメントしたとのことですが、彼のような映像優先型の作り手には、もうたまらない作品なのだろうな、と思います。私もゲームを全くやらないのにPS3ソフトを「映像を見るためだけに」買ってしまうような人間ですから基本的には同類でして、CGと思われる(←この表現ができるのもちょっと感動的)シーンでは、「すげぇ、ここもあそこも動かしてる!」などと動きの多さに感動してみたり。
ただ、この映画、3時間の割に長くは感じなかったというか、まぁ楽しめたのですが、これがもしも2D上映だったら、飽きずに観れたかというと、ちょっと疑問もあります。いくつかの重要な心理の変化が欠けている気がして(ジェイクがナヴィの信頼を取り戻すシーンとか、ナヴィ側に寝返るジェイクとグレイス以外の人物たちの描写とか)、「いやそれは強引すぎるだろう」と気になる部分が結構ありました。この辺は、「ディレクターズ・カット版」だとちゃんと描かれるのか、気になるところではありますが、違和感を感じてやや冷めてしまったのは事実。同様のことを、「タイタニック」でも思ったんですよね…私は。
実はそもそも私はジェームズ・キャメロンの作品は、「すごく楽しいけれど、何度も観たくはならない」ものが多いんです。なんというか、うまく悪役を設定してそのワルっぷりを強調することによって観客をあるキャラクターに感情移入させ、最後にそいつを叩きのめして終わる、という大きな流れを感じてしまうことが多いんですよね。「あぁ、なるほど、こうやって観客にコイツへの憎悪をインストールするのね、ふむふむ」なんて感じになっちゃって、「ってことは、ラストはこんな感じだろう」と予想してしまうという、メタ的な視点で映画を観てしまって、結果的に「思いっきり」は楽しめないと言いますか。たぶん、ジェームズ・キャメロンの映画はその辺が上手すぎて、私には「ちょっと鼻につく」感じがしてしまうのだと思います。
まぁこの冬の映画で他人に最もオススメできる映画という点では、「カールじいさん」と並んでこの作品もトップにあげられると思います。最後の星評価が、「個人的満足度」でなく「オススメ度」であったら5つ★にしたと思います。子どもでもそれなりに楽しめる単純明快なストーリーを映画史に残るであろう大迫力の映像で描き、最後に観客にバッチリとカタルシスを与える作りですから、最大公約数的には間違いなく楽しめる一本かと思います。オススメです!(宇多丸風にw)
個人的満足度:★★★★☆
Popularity: 41%
現在公開中のアメリカ映画、「カールじいさんの空飛ぶ家」(監督:ピート・ドクター、ボブ・ピーターソン)です。TOHOシネマズ六本木シアー7の3D上映で観賞してきました。
私、「宮崎駿作品(ジブリ作品ではない)で最も好きなのは何?」と聞かれたら、
- 未来少年コナン
- ルパン3世 カリオストロの城
- 風の谷のナウシカ
と答えるタイプ?の人間です。特にコナンはもう大好きで大好きで、未だにレーザーディスクボックスを持ってたりしますし、たぶん通しで20回くらいは観てると思います。(全部で13時間とかあるのですが)今回の記事は、「そういう人が書いたもの」としてお読みいただければ幸いです。
(以下、ネタバレあります)
もう、大・大・大満足の作品でした。スピード感あふれる展開(多少ムチャなところもありますがw)、緊張感いっぱいの追いかけっこシーン、大迫力の映像、単純すぎるくらいの描かれ方で表現される友情と正義…、子どものころに「カリオストロの城」に興奮しまくったことを思いだしました。
そう、プロットはもう思いっきり「カリオストロの城」にそっくり!敵の城に入る→追いかけられて脱出→大切な人?を救いに再び敵のところへ→・・・→最後に抱き合う、なんてもうそのまんまじゃないですか!(抱きあう相手だけ違うけど)しかも途中の飛び石状の土地を飛び越えるシーンとか、千と千尋の湯屋の階段を転げおりるシーンにもカリオストロの城への潜入シーンにも似てるし、ラスト近くの飛行船上のシーンは、未来少年コナンの24〜25話にそっくりだし。あと、作品中ではキャラクターが死ぬことはほとんどないんだけど、敵のボスだけが死ぬというのもカリ城と同じ。しかし不思議とパクリ感などなく、「あ、これはパクリじゃなくてオマージュだな」とか都合良く感じてしまうほどに、夢中になって観てしまいました。
そもそも私、ギアナ高地は世界中で最も行ってみたいところなんですよ。上映開始10分くらいで、ギアナ高地とおぼしき場所が登場したときには、それだけで興奮してしまいました。ああ、一度は行ってみたい、ギアナ高地…。(ツアーで外から眺めるだけなら行けるんですけど、上陸は無理なんですよね..)
それにしても、やはりピクサーの映像は3Dになってもスゴイです。滝が始めて出てきたシーンは、思わず身震いしてしまいましたし、ラスト近くに少年が落っこちそうになるシーン、少年視線で下を観る映像が出たときは、遊園地の絶叫系マシンにのったときの、あの下半身のムズがゆい感じが一瞬再現されてしまいました。(^^;
とにかく、「考える系」ではない、「完全エンタテインメント系」の映画としては、今年1番に燃えた作品かと思います。もう大興奮で、記事もすぐに書きたくなってしまいました。(そんなわけで、記事化していない映画が18本もあるのに、この映画の記事を書いてしまいました。(^^;)
個人的満足度:★★★★★(Blu-ray版の購入は確定です)
Popularity: 57%
現在公開中のアメリカ映画、「Disney’sクリスマス・キャロル」(監督:ロバート・ゼメキス)です。吹き替え版を109シネマズ川崎のIMAXシアターで観賞しました。吹き替え版を選んだのは、「IMAX 3Dだと画面がデカすぎて字幕を追うのが大変なのでは?」と思ったからなんですが、そこら辺どうなんでしょう?
ディケンズの小説として有名な物語の映画化ですが、私はまったくストーリーを知らずに観賞しました。恋愛がからんだ話しなのかな、とか思っていたのですが、全然違ってました…。(^^;
実は今回初めてIMAXシアターの3D版を観たのですが、ありゃあ凄すぎですね。解像度も色も凄いし、3Dの大迫力がとにかくスゴイ。雪のシーンなんか、「自分の身体にもかかってるのでは?」と思ってしまうほどでした。思わず、背景のボケたところに眼の焦点を合わせようとするとどうなるんだろう?とかアホなことをやってしまいました…。
ストーリーはすごく素朴で単純で、まさに「昔話」という感じ。個人的には、3Dのあんなにスゴイ映像じゃなくて、小さいころによく見ていたテレビ番組「マンガ日本むかし話」みたいな画調で描いたほうが、むしろ説得力があるんじゃないかなぁ、などとも思ってしまいました。
「見える貧困」からは目をそらし、「見えない貧困」の不存在を信じる、いやむしろ見えないところにゾーニングしようとすらしてしまう、「厚みのない(包摂性に欠けた)」日本社会。このような作品が、「みんなが知っている話」として広範に流通している「厚みのある」ヨーロッパ社会。1人あたりGDPは1位からは陥落して久しいものの、まだまだ上位(今年中国に抜かれて3位?)にありつつも、「あなたは幸せですか?」という質問へのYes率ではOECD加盟国中でも低位、自殺率ではハンガリーに次いで第2位という奇妙な国、日本。この物語が感動的ではあっても、しかし感覚的にはしっくりこない、そしてむしろしっくりこないことが自分の、あるいはこの国にすむ人たちの「まずしさ」の現れである気がして、なかなかストレートに感動して受け入れることは出来ませんでした。
ヨーロッパやアメリカに根付いている寄付文化が、日本にはなかなかなじまない理由として、キリスト教という要素は大きいとは思います。ただ、それよりも何よりも、日本人の意識には「守るべきもの、死守すべきもの」がない、あるいは希薄であることのほうが大きいのではないでしょうか。ヨーロッパ社会は、フランス革命時の「行き過ぎた市民の自由(市民によって承認された者たちの暴走)が、社会そのものをも破壊してしまうことへの恐怖」が、アメリカ社会には「独立戦争で血を流して獲得した市民の自由を統治権力が奪ってしまうことへの危惧」があって、それゆえ「たとえ統治権力が失政を行ったとしても、社会の包摂性は守らなくてはならない」という意識が強いのかなと。日本はと言えば、「軍部(の一部の危険思想の持ち主たち)が暴走してしまうことへの恐怖」はあっても、統治権力そのものの暴走や、行き過ぎた市場主義への怖れに鈍感で、むしろ社会形成は「お上がやるべきこと」という意識が強く、死守すべきとの意識に守られない地域共同体はすさまじい勢いで崩壊してしまった…ということかなと。やはり、戦争責任をうやむやにした(うやむやにしてもらった)ことが、日本人を「市民として死守するもの」の形成を阻み、「市民として」成長させる機会を失わせてしまったのか…などと思ってしまいました。
個人的満足度:★★★☆☆
Popularity: 10%






