
2007年の邦画、「アヒルと鴨のコインロッカー」です。日本映画専門チャンネルで放送されたものを録画して観賞しました。
いやぁ、楽しめました。前半は「なんだこの話は?」という感じ、後半は「あぁ、そういうことだったのかー」という驚きと哀しさ・切なさが同時進行でやってくるという、ラストに向けてだんだん盛り上がっていく感じの映画でした。ミスリード系の映画という点では、「アフタースクール」と似ていますが、こちらのほうがややストーリーはシリアスで、観賞後はスッキリというよりは、「余韻に浸る」という感じでした。
ミスリード系ということで多くは書けないのですが、やはり松田龍平の存在感は別格ですねぇ。登場シーンは少ないにも関わらず、インパクトは抜群です。あとは瑛太。「モデル出身の役者」くらいにしか思ってなかったのですが、これまた良い役者さんでした。
あと、物語を通して使われているが、ボブ・ディランの「風に吹かれて」。ボブ・ディランはあまり聴き込んだことがなかったのですが、この作品を観た後、すぐにベスト版のCDを注文してしまいました。若い頃なら分からなかった良さが、自分が歳をとって分かるようになってきた、そんな感覚があります。ううむ、喜ぶべきことなのかどうなのか…。(^^;
とにかく、話のテンポも内容も良くて、誰にでもオススメできる1本かと思います。むしろ、劇場向きというよりはテレビ向きかも。
個人的満足度:★★★☆☆
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2004年度のアカデミー脚本賞受賞作品、「エターナル・サンシャイン」です。Blu-rayディスクで鑑賞しました。
今年に入って「レボリューショナリー・ロード 〜燃え尽きるまで〜」と「タイタニック」をたてつづけに観て、ケイト・ウィンスレットの魅力に気づき、すぐにこの作品のBlu-ray版を購入してしまいました。入試直前期ということもあって本日ようやく鑑賞しました。
ちなみに「レボリューショナリー・ロード」は、見終わった瞬間は「なんだこの映画は?」という感じでムカムカしていたのですが、その後もずっと作品のことを考えてしまっています。「郊外化」「ポストモダン」「終わりなき日常」…いろんなキーワードが浮かんできては考え、ついには10年前に読んだ宮台真司の「終わりなき日常を生きろ」を読み返したりしてしまいました。鑑賞直後は★2つにしてしまいましたが、これだけずっと印象にも残っているし、いろいろと考えさせられていることを考えると、間違いなく「良い映画」だったんだなぁと思ってしまいます。でも、やっぱり気分が悪くなりそうなので、もう1度映画館に行って観る気にはなかなかなれないのですが…。ううむ。
予備知識ゼロだったこともあってか、観始めて15分間くらいは「なんだこりゃ?」という感じで、ちょっとうとうとしてしまいました。実際、10分間くらい寝てしまって、起きてあわてて観直してしまいました。自宅で観るメリットはこれが出来ることですかね。(^^; 途中から筋がつかめてきて、どんどん映像やセリフにのめり込んで行ってしまいました。この作品、SFチックな設定の中に、恋の切なさ、後悔、始まりと終わりがあることへの憂いが凝縮して込められているのですね。記憶除去という設定は、「1組の男女が出会って別れて、その想い出に浸って哀しんで…」という人が必ず(?)味わうストーリーを際立たせるための道具にすぎなかったのか、と観賞後に思いました。それにしてもこの作品の脚本家は、男性の「女々しくて情けない部分」をよく理解しているなぁ、と思いますね。自分がジョエルだったら、「あんなこともあった、こんなこともあった」とか思い出して、やっぱり同じ気持ちになるなぁ、と何度も思ってしまいました。
それにしてもケイト・ウィンスレットは素晴らしいですねぇ。「チェンジリング」のアンジェリーナ・ジョリーは「こりゃ主演女優賞は決まりだろう」と思わせる演技でしたけど、この作品のケイト・ウィンスレットもスゴイですし、「エボリューショナリー・ロード」も、あれだけ私をムカつかせるんですから、演技としては本当に素晴らしい気がします。ううむ、それにしても明日の発表が楽しみです。
最後にBlu-rayですので画質・音質について。画質はBlu-ray作品としては標準的な美しさでしょうか。音は、途中の「脳の中」のシーンなんかでは5.1chが効果的に使われていて良い感じでした。
個人的満足度:★★★☆☆(ケイトばかり観ていた気が..。結末は大体想像がついちゃうだけに、ちょっと脳の中のシーンがくどいというか長いかな..)
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クリント・イーストウッド監督の新作、「チェンジリング」です。TOHOシネマズ六本木のスクリーン5で観賞しました。
この作品、アカデミー作品賞にはノミネートされていないようですが、それが不思議でなりません。「人間の強さ、弱さ、業、哀しみ、恐れ」を描ききりながらも、作品に娯楽性をも与えた傑作だと思います。冒頭に表示される「a true story」の文字が142分間、私に重くのしかかってきました。これがなければ、「うーん、もうちょっとリアリティのあるストーリーにすれば…」くらいに感じたことでしょう。
舞台は1920年代のロサンゼルス。突然行方不明になった息子ウォルターの捜査を警察に依頼した母クリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、その5ヶ月後に「あなたの子どもが見つかった」との連絡を受けます。歓喜の表情で息子との再開の場に向かうクリスティン。しかし、その場にいたのは顔立ちは多少似ているものの、明らかにウォルターではない別の子だった、というにわかには信じがたい「実話(Wikipedia)(←この映画をこれから観るつもりの人は見ないほうがいいです)」です。物語は、腐敗した警察やクリスティンが強制入院させられる精神病院との闘い、その途中で浮かび上がるある凶悪事件との関連、そして事件を乗り越え「欠陥だらけの社会」を生きていくクリスティンを力強く描きます。観賞後は、過去の忘れてはならない事件を描くことを通しての、「人間のつくる社会ってのはこういうものだ」というクリント・イーストウッドからのメッセージを受け取った気がしました。

アカデミー主演女優賞にノミネートされているアンジェリーナ・ジョリーの演技はさすがです。再会した子どもが別人だったとき、警察に「混乱しているんですよ」と言われ、困惑した表情で記者の写真撮影に応じるときの表情や、精神病院で医師に「どう言っても精神病に仕立て上げられる」と知ったときの絶望の表情は印象的でした。また、「警察組織に盾つくもの=悪」という認識が完全に自らを支配するようになってしまった(=「良きこと」との判断で行動し、その後も発言する)ジョーンズ警部や、少年の告白を聞くヤバラ刑事の演技もかなり印象に残りました。
私がこの作品を観賞中に思い出した映画作品が2つと事件が1つあります。映画作品は、「エリン・ブロコビッチ」と「カッコーの巣の上で」の2作品。両者とも観たことのある方なら、お分かりいただけるかと。もう1つは、昨年の神奈川県神田高等学校での合否判断事件。私利私欲(面倒を避けたい)のために失踪した子どもをでっちあげるジョーンズ警部と、同じく私利私欲(面倒を避けたい)のために合格点に達した生徒を不合格にした校長が重なって見え、さらに「社会のために存在する機関が、いつの間にかその機関(組織)自体を守ることい第一義が置かれるようになっていた」ことにも共通点があるように感じました。宮台真司が「神政国家は必ず腐敗する」構造を論じていましたが、これらの機関も小さな「神政国家」になってしまったのだなぁ、などと思いながら観ていました。
とにかく、2009年に劇場で観た映画作品の中では最も満足度の高い作品でした。クリント・イーストウッドの作品はこれからもずっと追いかけていこうと思います。(過去のものもコンプリートしなくては…)
個人的満足度:★★★★★
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マルタン・マルジェラ⑩のブーツです。昨日、はるばるイギリスから届きました。
このブーツは、いつもお世話になっているchandernagor82さんのブログ「Détruire」の記事でその存在を知りました。それからほどなくして、マルジェラ恵比寿店で購入したアナトミック・パンツのお直しが終わって商品を受け取りに行った際に試着してみて、その良さとサイズ感を確認し、すぐにイギリスのoki-niに注文し、昨日到着したというわけです。 当然ではありますが、箱もブーツ用の布袋も、ちゃんと正規店で買った場合と同じものがついてきました。
oki-niで注文したわけですが、これまたいつもお世話になっているmargielamarniさんのブログ「ドM」の記事でoki-niの魅力的な価格を紹介されていて、かつそのコメント欄で革製品にかかる関税がどのくらいなのか?果たして本当にかかるのか?が話題になっていたので、「じゃ、ここは一つヒトバシラーになってみよう」と思ってやってみたという次第です。

というわけで、気になる費用について。商品価格は439ポンド、購入時の換算レートは1ポンド134.588円で、クレジットカードの引き落とし金額は59,084円でした。そして税関でかかった費用ですが、関税10,200円、消費税2,100円、管理手数料500円、計12,800円をDHLの配達時に支払いました。結局、総支払い金額は、59,084円+12,800円=71,884円となりました。
まぁ、プロパーの半額程度でしょうか..。一応、セールよりも安く、アウトレットでの販売価格程度ですから、私としては大満足です。まぁ、ポンドやユーロがこれだけ安いのも、日本とヨーロッパの価格差がやたらと大きいのも、今年限りの話かな、とは思いますが。
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浦沢直樹の長編漫画の映画化第2弾、「20世紀少年 第2章 最後の希望」です。TOHOシネマズ六本木シアター5で観賞しました。
第1部を観賞した際、映画の内容や面白さよりも、「うわぁ、堤幸彦、苦労してんなー」という感じを持ってしまったのですが、今作もその感は引き続きあります。原作とそっくりなキャスト、原作のコマ割りとそっくりな構図は前作に引き続き徹底していて、その辺は原作ファンを多いに楽しませてくれますねぇ。特に小泉響子を演じる木南晴夏の激似ぶりにはビックリ。あれ、メークで似せているんじゃなくて、ほぼ素のままとのことで(Wikipediaより)、いやぁホントによくぞこんな子を探してきたもんだ、という気がします。遠藤カンナ役の平愛梨も、顔の雰囲気もさることながら、原作の雰囲気がしっかり出ていて良かったです。あとは春波夫を演じる古田新太、あれも似すぎ。
とまぁ、こんな感じで「うぉ、似てる」とか「おお、○○○○とは!その手があったか!」とか、そういう点で楽しませてくれます。これはもう完全な「ネタ映画」ですね。2/10現在、2週連続で興行成績ランキング1位だそうですが、その仕組みも分かる気がします。「小泉響子役、そっくりで笑えるよ」とか「春波夫が..」とか、軽い会話で映画の評価ができますから。「ベンジャミン・バトン」なんて、公開1週目なのにこの作品に負けて第2位..。内容的にはこの作品の数段上なのに….と思ってしまいますが、しかしベンジャミン〜は、「どんな映画で、何が楽しかったのか」を一言で伝えることは難しい。確か、宮台真司が「携帯メールで伝えられる程度の情報量で、面白さが伝えられるような底の浅い映画のほうが客が入るのが日本の現状」と言っていたような気がするのですが、まさに「携帯メールで十分に伝えられる」映画なんですよね、この作品は。その辺の「日本の映画を観る層の傾向とレベル」をよく知った上で、堤清彦は冷笑しながらこの映画をリリースしている気がしました。
とまぁ、基本的な路線は前回と同じなのですが、しかし今回は原作と大幅に異なる部分もあって、特に「ともだち」の正体については、最終的に原作とは異なるんじゃないか、と思わせるシーンが多々あります。特に、回想シーンに出てくる「ともだち」の少年時代の服装には注目です。(私は気付かなかったんですが、連れが気付きました)この辺も「うまいなぁ」という感じがします。だってこれじゃあ、原作の結末を知っていても、第3作を観ざるをえませんよ。(笑)
個人的満足度:★★★☆☆(第1作よりも楽しめました。あ、もちろんあんまりマジメに観ちゃいけない映画ですけど。)
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先日観賞した「チェ 28歳の革命」の続編…というか2連作の後編、「チェ 39歳 別れの手紙」です。TOHOシネマズ六本木のARTシアターで観賞してきました。やたら混んでるのでビックリしたんですが、なるほどTOHOシネマズデーとやらで1,000円で観賞できたんですね…なるほど。
前作から7年後、キューバ政府No.2の地位と快適な暮らしをすべて捨て、新たな革命を目指して旅立つところから物語は始まります。私はゲバラについてはこの2連作映画を観るまでほとんど知らなかったのですが、Wikipediaによると、
1965年1月、各国との通商交渉のために外遊を行う。2月24日、独立の過程によりキューバの盟友だったアルジェリアのアルジェで行われた「アジア・アフリカ経済セミナー」において演説を行い、当時、キューバの最も主要な貿易相手国だったソビエト連邦の外交姿勢を「帝国主義的搾取の共犯者」と非難し、論争を巻き起こした。3月に帰国後、キューバ政府はソビエトから「ゲバラをキューバ首脳陣から外さなければ物資の援助を削減する」旨の通告を受ける。これを受けてカストロにキューバの政治の一線から退く事を伝え、カストロ、父母、子供達の三者に宛てた手紙を残してキューバを離れた。
とのことですから、どうやら「旅立つ」にあたっての外的な要因もあったようですね。また、今作ではボリビア革命の様子が描かれますが、実際には一旦コンゴに渡って革命の指導を試み、失敗しているようです。

個人的には、「なぜゲバラが自ら再び戦地に赴くに至ったのか」が最大の興味だったのですが、この映画ではその部分にはあまり触れていません。もちろん、これは「意思」の問題ですから、説明などできないということになるのでしょうけれど、ゲバラのシロウトとしては、少なくとも多少なりとも迫って欲しかった…という感はあります。
この作品のメインは、ボリビアでの戦いなのですが、「勝ち戦」であった前作と違って、モノゴトがうまくいかず、かなり苦しむゲバラを見ることになります。前作で農民や兵士を次々に味方につけ(「感染」させ)、戦いに勝利していくカリスマ・ゲバラを観ただけに、明らかに敗北へ向かっていく姿を見るのは辛いものがあります。
終盤でゲバラは捕らえられ、大佐と呼ばれる人物に革命が成功しなかった理由を聞かれ、「軍が流したウソを農民が信じたからだ」と答え、さらに「我々の革命の失敗で、農民たちも気付くかも知れない」と答えています。前作でゲバラがキューバ革命成功後のインタビューで「革命に必要なものは愛だ」と言いました。人民を、国土を、国を本気で愛さねば革命は成功しない、と。そうであるなら、ボリビアでの革命が失敗した理由も(伝わらなかった、ということも含めて)そこにあるのではないか….シロウトながらそんな気がしました。
とにかくこの2連作は私にとっての「初ゲバラ」でしたが、得るものは多かったように思います。決して、「面白い」「楽しい」映画ではありませんでしたが、しかし充実した濃密な時間と、「革命とは、カリスマとは、感染とは」といったことを十分に示してくれました。かけがえのない2作だったと思います。
個人的満足度:★★★★☆
Popularity: 13%

1997年のドイツ映画、「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」です。ムービー プラスHDで放送されたものを録画して鑑賞しました。現在公開中の映画「ヘブンズ・ドア」のリメイク元となった作品です。
余命わずかと宣告されたマーティンとルディが偶然同じ病室となり、「天国で流行している」という海の話をするために、2人は海へ向かう…。いや、観る前は「暗くて重くて、観るのがツラい映画なんだろうなぁ」と思っていたのですが、全編を通じて漂う雰囲気は、全然違うものでした。
マヌケでアホなマフィアの2人、その2人がひいちゃった当たり屋?の少年、すぐ騙される警察官や刑事、すぐお金を差し出す銀行員、チップをもらってすぐ辞めちゃうホテルマン、いい加減な中古車屋のオヤジ、マフィアに雇われた殺し屋たち…もう愛すべき人たちばかりが登場します。そして何と言ってもマーティンとルディの2人がカッコいい。いや、別にすごいイケメンということじゃないんですが、何と言うかク「イカす」んです。いつも一方から光が当たってる感じの独特の映像がまたいいし、セリフもいちいち格好いい。いや、格好悪いんだけど、格好悪いのがこれまた格好いい。ラストでマーティンが死ぬシーンですら、すがすがしさと格好よさを感じてしまう、そんな映画でした。
個人的満足度:★★★★☆(昨年観た「最高の人生の見つけ方」はこの作品のリメイク?オマージュ?とか思いました)
Popularity: 2%

キューバ革命のゲリラ指導者にして革命家のチェ・ゲバラを描いた2連作の1作目、「チェ 28歳の革命」です。渋谷のヒューマントラストシネマ文化村通りで鑑賞してきました。
最初に断っておくと、この映画は「面白い作品」でもなければ「感動する作品」でもありません。観る人によっては、かなり退屈な作品とも言えるかも知れません。各ブログ等でそういう感想もいくつか読みましたし、私自身もなんだか重そうな作品だということもあって、鑑賞するのがこんなに遅くなってしまいました。実際、観始めてしばらくはちょっと退屈で、大学入試直前授業で疲れていたこともあって(授業後にレイトショーで観たので)少し眠くなってしまいましたし。
この映画は、「革命家であるための、革命が起こるための、革命が成功するための」必要条件を教えてくれます。作中、インタビュアーの質問に「革命に必要なものは愛だ」と答えるチェ。言葉だけを聞くと、いかにも革命の指導者が言いそうなことだ、くらいに感じてしまいますが、この作品を観るとその意味がよく分かります。本気で仲間を愛し、本気で国土を愛し、本気で革命を愛していないものには、人々はついてこない。先日のカタリバで宮台真司が「柳田國男的な国土論」をしきりに持ち出した理由もここにあると確信しました。(間違ってるかも知れないけどw)

また、彼はこうも言います。「読み書きを勉強しろ。読み書きが出来ない者はすぐにだまされる」これは単なる識字率の問題ではなく、人民に「教養と判断力」が欠如していては、(一時的に戦争には勝てても、結局は)革命は成功しないということだ思いました。先日の「カタリバ」で、4時間の講演の後、「選挙に行かない」から「行く」にコロっと変わった多くの人たちは、例えば小泉やオバマのような話がうまくて威勢の良い人が表れたら、コロっと騙される可能性はないだろうか。(もちろん、よく考えて意見を変えた人もいるでしょうし、私にもその可能性はあるのですが)そんなことをふと思ってしまいました。
映画の中盤では、チェが脱法行為を行った者を処刑するシーンや、新たにゲリラに加わりたいと名乗り出る若者が現れるシーンが描かれます。どの程度史実に忠実なのかは分かりませんが、チェの行動に「感染」する者が多く表れたことは、その後市街地戦を制するシーンでよく分かります。劣勢になるとすぐに降伏するバティスタ軍との対比がそれをしっかりと物語っています。金銭や恐怖で戦う者と、「感染」によって戦う者の差異が明確に表現されていて、「感染力」がいかに大きな力を持つか、そしてそのことが「愛」を要請するのだと、ここで改めて思い知らされます。
日本では、武力行使による革命は(少なくとも当面は)起こらないだろうし、必要とされてもいません。ただ、日本にも「オバマのような人」を望む人が多いことは明らかで、それはすなわちカリスマが求められているということかと思います。この映画がこの時期に公開されたことは、もしかすると運命的かも知れません。将来、「チェ2連作を見て革命家を志し、その後政治家になった」というような若者が出てくるかも…と思ってしまいます。それほどに、この映画は観る者(全員ではなく、あるパラメータを満たした者に、だとは思いますが)をチェに「感染」させる力を持っているように思いました。
個人的満足度:★★★★☆(後半への期待を込めて4つに抑えました)
Popularity: 10%


マルタン・マルジェラ⑩のアナトミック・パンツです。2009SSの商品で、恵比寿店で購入しました。ちなみにまだ穿いて外出はしていません。(^^;
マルジェラのアナトミック・パンツの素晴らしさは各方面から伝え聞いてはいましたが、購入するのは初めてです。ややO脚っぽく全体を歪めてあるのが特徴で、すでにお持ちの皆さんは一様に、穿きやすさを強調されていますが、それについてはまだよく分かりません。が、ちょっと力の抜けた感じで、高級感が出過ぎていない(価格だけは高級品ですがw)シルエットは、「こりゃあ、使えそうだ」という感じが今からしています。ベルトループが太いのが今期の特徴だそうで、まぁディテールで凝っているのはそのくらいでしょうか。
色はネイビーとベージュで迷いましたが、思い切ってベージュにしてみました。ベージュのパンツの購入は、17〜18年前にポール・スミスで購入して以来でして、トップスもベージュのパンツを念頭に置いて買ったものはほとんどありません。正直、「どう合わせて良いのか」ちょっとピンと来ないのですが、まぁこれも「楽しみが増えるかな」くらいに思っています。
春が来て暖かくなって、これが穿けるようになるのが今から楽しみです。
Popularity: 6%

第81回アカデミー賞の最有力候補作品、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」です。TOHOシネマズ六本木のシアター2で観賞しました。
この作品、予告を観た段階から興味があったのですが、原作者がF・スコット・フィッツジェラルトということを知って、「これは観なければ」という思いを強くしました。
フィッツジェラルトは「グレート・ギャッツビー」を読んだのが高校生のときで20年ほど前です。他にもいくつか読んだ気もするのですが、少なくとも明確には覚えていません。ただ、印象としては「シニカルに世の中を描く作家」という感じだったので、この作品の原作がフィッツジェラルトであることはかなり意外でした。Wikipediaにもこの作品のことは触れられていないのですが、比較的初期の作品なのかなぁという気がします。あと、映画「華麗なるギャッツビー」の主演が今回のブラピの師匠とも言えるロバート・レッドフォードだというのも、なかなか味わい深いですねぇ。
この映画は、80歳の姿で生まれ、時間の経過とともに若返っていくという、まさに「数奇な人生」を送ったベンジャミン・バトンの一生を描いた物語です。(あ、もちろん実話ではありません)ベンジャミンを演じるのはブラッド・ピットなのですが、赤ん坊から老衰死まで(姿としては80歳→赤ん坊、なのですが)を描く物語ですから、当然容姿が変わらなくてはなりません。監督へのインタビューによると、ほとんどの年代のベンジャミンを本人が演じているとのことですが、にわかには信じ難いです。まさか赤ん坊姿は本人ではないとして、どの辺からブラピじゃないのか(7歳のときの姿、終盤の少年の姿..ううむ)全く分かりません。そもそも、見た目年齢が20代前半くらいのブラピなんて、カッコいいを超えて「美しい」感じすらしてしまいます。まさに、この時代だからこそ出来た作品でしょうね。
私は「ある人の一生」を描いた伝記的な作品はかなり好きで、この映画も3時間近い長尺の映画なのですが、全く飽きることなく画面に釘付け状態でした。「80歳で生まれてだんだん若返る」というやや奇をてらったようにも思える設定は、「変わらないものなどない」という悲哀をより際立たせるための小道具にすぎない気がしました。実際、中盤〜終盤にかけてのベンジャミンの「将来必ず訪れる悲劇」への哀しみや苦悩は、観ていて痛いほどです。この辺は、(私は短編版の小説しか読んでいませんが)「アルジャーノンに花束を」と似た構造です。「将来必ず訪れる悲劇(老いや死、そして..)」は、ベンジャミンに限らず誰にでもあるものです。その哀しみが、姿が若返っていくという設定によってより鋭さや深さを増しているように感じました。
もっとも、これは私のパーソナリティが大きく影響しているかも知れません。私は「老いと死」にやや異常に(かどうかは他者との比較が難しいのですが)恐怖を抱いているタイプの人間で、その恐怖からの回避のための思考方法もやや特殊ですので。そういう意味では、これから数多く出てくるであろう、この映画への各ブログでの感想を読むのも楽しみです。
個人的満足度:★★★★☆
Popularity: 70%